『裏七夜』頭目である七夜志貴と、彼の妻である『七夫人』。

仕事の時も私生活でも『七夫人』は皆志貴と行動を共にしていた。

だが、唯一閨の睦時においては一人づつの当番制をとり、全員での乱交はそれこそ初夜を含めてごく僅かしかない。

何故か?それは彼らの初夜にまで理由を求めなければならない・・・









「色々始める前に改めて礼だけ言いたい。アルクェイド・アルトルージュ・シオン・翡翠・琥珀・秋葉・さつき俺の我が侭に応えてくれて本当にありがとう」

そう言って静かに一礼する。

「まあ、いきなりこんな事するのも奇妙だと思うけど、俺としてはけじめみたいなものだから、そこ等辺りは無視してくれ・・・さてと」

そう言って立ち上がる。

「じゃあ、始めるか」

その言葉に七人は声もなく静かにこくんと肯いた。

その表情は緊張しながらも幸福に満ち溢れて。

だが、そんな『七夫人』とは裏腹に志貴はと言えば、

「あっ・・・」

不意に何か思い出したように顔をしかめ、腕組みを始めた。

「??志貴どうしたの?」

「私達もう準備は万端よ。覚悟も出来ているし」

アルクェイドとアルトルージュが不審げに尋ねる。

理性も何も無く襲い掛かってくる物とばかり思っていただけに志貴の躊躇には全員戸惑った。

「もしかして志貴私達に不満でもあるのでしょうか?」

それに続いてシオンが不安げに尋ねる。

レンと現時点のアルトルージュを除けば『七夫人』全員のスタイルは標準をクリヤ、もしくは上回っている。

アルトルージュも自身の身体を成長させれば決して引けを取らない。

もしかして自分達の身体を見てやる気が削がれたのではないのか・・・

世間一般の基準からいえばそんな筈は無いのだが、そんな評価よりも彼女達には志貴の評価の方が遥かに大事だった。

「いや、そうじゃない」

「ではどうしたのですか?兄さん」

「あ〜順番はどうしようかと思って・・・何しろ今日は初夜なんだし、最初は一人づつしっかり抱いてあげたいから」

頭をかいて苦笑気味にそういう志貴。

「志貴ちゃん・・・」

この様な時でも自分ではなく妻達を主体にして考えている志貴に翡翠は嬉しそうに見やる。

「それなら大丈夫だよ志貴君。皆でもう決めてるから」

志貴を安心させようとさつきが笑顔で言う。

「えっ?決まっている?」

「うん、琥珀ちゃん、翡翠ちゃん、アルクェイドさん、アルトルージュさん、シオン、私、秋葉ちゃん、最後にレンちゃん」

「琥珀から?」

「・・・」

見ると、当の琥珀は顔所かうなじまで真っ赤にして俯いている。

だが、それでも小さく首を縦に振る。

「そうか・・・皆その順番でいいのか?」

「はい、全員恨みっこ無しでくじで決めました」

「そうか・・・じゃあ、それに従おう。琥珀」

そう言って志貴は優しく、壊れ物を扱うように琥珀を抱き寄せ、そのまま胡坐をかいた自分の脚の上に琥珀を乗せる。

「あっ・・・し、志貴ちゃん・・・」

「琥珀・・・愛してる」

何の前触れも無くいきなり愛の言葉をそれも背後から囁かれ琥珀の顔が更に赤くなる。

「し、志貴ちゃん・・・私も・・・んっ」

しどろもどろになりながらも、琥珀がそれに答えようと振り返るがその前に、志貴のキスを不意打ちに受ける。

「んんっ・・・」

必死に引き剥がそうとする琥珀だったが男の志貴の腕力には勝てず、諦めた様に志貴とのキスを流されるがままに受ける。

やがて、唇同士を合わせるものから、志貴の舌が琥珀の口内に侵入してくる。

突然の異物の侵入に驚いた琥珀は咄嗟に舌を使って志貴の舌を押し返そうとするがそれも巧みな志貴の舌にかわされむしろ、お互い、舌を絡めあう形になっていた。

暫くすると、志貴がゆっくりと離れる。

その際半開きとなった互いの口から覗く舌同士を繋ぐ細い糸が見え、直ぐに途切れた。

「・・・ひどいよ・・・志貴ちゃん・・・」

頬を赤く染め、その瞳は潤ませながら、とろんと呆けるような光を見せながらも口調は志貴を咎める様に呟く。

「私も・・・言いたかったのに・・・」

キスする前に志貴に言おうとした愛の言葉を遮られた事に抗議を上げていた。

「ごめん」

笑いながら謝罪する志貴だったが既にその手は襦袢の隙間から胸を直接愛撫し、もう片方の手は巧みに足の間に潜り込み琥珀の秘所に到達しようとしていた。

「やっ・・・やぁ・・・」

志貴の動きに怯えながら押し返そうとするが、志貴は琥珀の耳を甘噛みし、息を吹きかける。

「ぁぁぁ」

その思わぬ攻撃に琥珀の力が抜ける。

その隙に襦袢の前を大きく開き志貴の目にまだ他の男の眼にも晒されず、手にも付けられていない琥珀の乳房が飛び込んできた。

背後から見下ろす形で見ても琥珀の胸のボリュームは十分にあった。

「見ないでぇ・・・志貴ちゃん、お願いだから」

恥ずかしさに涙を両目に溜めて必死に志貴に懇願する。

手で隠したくでも巧みに志貴の腕は琥珀の両腕を押さえ込んでいる為琥珀は晒された自分の裸身を隠す事も出来ずただひたすら志貴の視姦に耐えるしか術は無かった。

「どうして?琥珀すごく奇麗だよ。それにすごく柔らかい・・・」

そう言って胸への愛撫を続ける。

自分が今触れている所には誰一人侵したことがないと思うと余計に興奮する。

まるで皮膚は無論の事、魂にまで琥珀は自分だけのものだと言わんばかりに志貴はゆっくりと余す事無く撫で回し、時には軽く揉む。

更に徐々に手が胸全体への愛撫から今度は乳首を重点的に責める。

そして琥珀の秘所に辿り着いた志貴の指は巧みに動きながら琥珀を責め立てる。

「あれ?・・・なあ琥珀・・・もしかして下着・・・つけていないのか?」

ふと志貴は疑問を覚え琥珀に聞いてみる。

確かに琥珀は上のブラジャーはもちろん下すらつけておらず、襦袢の下は琥珀の素肌が丸出しになっていた。

「う、うん・・・い、いつも・・・ぁぁ・・・そ、そうだよ・・・ひ、翡翠ちゃんも・・・」

「・・・そいつは・・・危なかった・・・」

その答えを聞き志貴は冷や汗を流す。

翡翠と琥珀が就寝時、上をつけていない事は在学時に度々自分の寝室に潜り込んでいたので解っていたがよもや下も着けていないとは予想もしていなかった。

もしそれを知っていて尚、彼女達に手を出さなかったかと問われれば極めて怪しい。

これで露骨に誘惑でもされた日には、もしかしたら婚前交渉もやりかねなかっただろう。

志貴が安堵している間にも彼の手は別の生き物の様に琥珀の胸と秘所を同時に責め立てる。

「や、だ、だめ・・・だめなの・・・志貴・・・んんっ・・・ちゃん・・・乳首・・・ばっかり・・・そ、そこもぉ・・・いじっちゃやぁぁ・・・」

「そこ?そこって何処の事?」

弱々しい声で必死に懇願する琥珀に志貴は耳元で優しく聞いてくる。

「だめ・・・は、恥ずかしい・・・」

「何で恥ずかしがるの?琥珀?俺しか聞いていないよ」

「で、でも・・・や、やぁぁぁ・・・」

例え聞いているのが愛する志貴だけだとしても、恥ずかしいものは恥ずかしい。

それに周囲にはつぶさに観察している他の六夫人もいる。

声を上げるに上げられない状況で琥珀は必死に声を押し殺しながら必死に力の入らない両手で、せめて秘所を責める志貴の手だけでも押し返そうとする。

だがそれも敵わず、琥珀は志貴に胸と秘所を良い様に愛撫され続けられていた。

「・・・すごい・・・志貴ちゃん」

その様子を見ていた翡翠が息を飲み込む。

いくらそう言った事の経験がないとは言え姉をここまで責め上げるとは思っても見なかった。

「うん、志貴すごく上手なんだ・・・」

翡翠の独り言にアルクェイドだけが静かに応じたが、残りの四人はただただ志貴の技量に圧倒されていた。

やがて琥珀にも変化が訪れた。

「あっ、志貴ちゃん・・・気持ち・・・良いよう・・・」

琥珀が小声ながらもはっきりと自分の愛撫に感じ始めていた。

休ませる間も無く、それでいて決して焦る事も無く、琥珀が快楽をほしがる様に愛撫を続けていた志貴は微笑を浮かべた。

「何処が良い?」

「あっ・・・あのね・・・乳首をね・・・ひぁ・・・撫でられると・・・ゾクゾクして気持ち良いの・・・」

「ふーん、じゃあこれは?」

そう言って志貴は琥珀の乳首を摘む。

「ひぐっ、痛い!」

「そっか、ごめん、こっちの方が良いんだ」

そう言って先程と同じ様に指の腹で大きく時には細かく動かし琥珀の乳首を交互に愛撫し続ける。

「はぁぁぁ・・・良いのぉ・・・そうされると気持ち良いのぉ・・・」

「それに・・・琥珀、下がすごく濡れてる」

確かに秘所を責めていた志貴の指は琥珀の愛液に塗れていた。

まだ志貴の指は中に入れていないに。

「い、いやぁ・・・志貴ちゃん・・・言わないで」

心底恥ずかしそうに首を振っていやいやする。

だが、志貴はその懇願を無視して愛撫を続行する。

暫くすると秘所を責め立てていた指を唐突に離し琥珀の愛液が絡まる自身の指を確認する。

そして一つ頷く。

「これだけ濡れていれば大丈夫かな」

そう言うと琥珀の身体をそっと布団に横たわらせてから、襦袢を脱がして、始めて真正面から琥珀と向き合う。

既に着流しを脱ぎ志貴は琥珀と同じ様に全裸となり、惜しげもなく無駄な贅肉も無い剛柔の均整が取れた身体を晒していた。

そして志貴の股間からは彼女達を圧倒する存在感を誇示する志貴自身の肉棒が勃起し、獲物を求めて小さく震えていた。

「し、志貴ちゃん・・・そ、それが?」

「ああ、これからこれで琥珀の処女貰うよ」

包み隠さず正直に言う志貴に、琥珀は恐怖の為かやや震えながらも小さくだが、はっきりと頷き

「し、志貴ちゃんに・・・私のヴァージン・・・あげます・・・だから・・・志貴ちゃん・・・ずっと・・・」

「ああ、ずっとそばにいる。お前は俺のものだ」

そう言うと、愛液で濡れた琥珀の秘所に自身の肉棒を宛がう。

「ひっ!」

身体を硬直させる琥珀を咎める事なく、再度胸への愛撫を再開しリラックスさせる。

「ぁぁぁ・・・志貴ちゃん・・・」

志貴の愛撫に安堵したのか体の力を抜いて安心した表情を浮かべる。

その隙を逃す事無く志貴は一気に琥珀を貫き処女膜を突き破った。

「!!!!」

突然襲われた激痛に琥珀は眼を大きく見開き、声にならない声を上げようと口をパクパク開閉させる。

志貴も動く事はせずに琥珀の状態が落ち着くのを待つ。

「えぐぅ・・・痛いよぉ・・・」

やがてようやく言葉を発した琥珀は静かに痛みを訴える。

涙を必死に堪えながら。

現に琥珀と志貴の結合部からは琥珀の純潔だった証が血となって流れている。

「琥珀大丈夫か?まあ俺が心配するのも変だと思うが」

「まだ痛いよ・・・でも志貴ちゃんこれで私・・・この身体も心も全部志貴ちゃんのものなんだよね?」

「ああ、全部、俺のものだ」

それから暫く志貴は動く事無く琥珀の髪を撫でたり胸や脇腹を撫でたりして琥珀の痛みが和らぐのを辛抱強く待った。

「んん・・・し、志貴ちゃん・・・良いよ動いて・・・志貴ちゃんも辛いでしょ?」

「いやまあ・・・我慢してると言われればその通りなんだが・・・俺としてはお前が辛い顔をする方が辛いんだが」

「大丈夫・・・痛くなくなってきたし・・・志貴ちゃんの好きにして良いから」

「・・・そうか・・・じゃあこれ位はどうだ」

そう言ってゆっくりと半分引き抜いてから、同じ速度で再度挿入する。

「ぁぁぁ・・・うんこれ位が気持ち良い・・・あんまり痛くないし」

「そうか、じゃあこの速度で続けるぞ」

それから志貴は労わる様にスローペースでピストン運動を開始する。

「んんっ・・・っぅ・・・」

最初はまだ少し痛むのかやや表情を顰めていた琥珀だったが、やがて変化が訪れた。

「ああ・・・良い、良いよぉ・・・志貴ちゃん、気持ち良い・・・」

うっとりした表情で志貴に抱きつき、自分からキスをする。

急に積極的になった琥珀に志貴は眼だけ微笑みながら、再び舌を琥珀の口内に侵入させる。

琥珀もそれをわかっているのか、先程とは違い、自分から舌を絡めせ、必死に応戦する。

だが、志貴の腕前は圧倒的だった。

琥珀の拙い反撃などものともせず舌ごと琥珀の口内を徹底的に蹂躙する。

その間も志貴の前後へのピストン運動は変わらぬ速度で琥珀を貫き続ける。

「んはぁ・・・だ、だめぇ・・・気持ちよすぎて・・・身体が言う事聞かないのぉ」

志貴とのキスからリタイヤすると琥珀はもう我慢出来ないとばかりに、必死に腰を動かそうとしている。

「琥珀、そろそろスピード上げても大丈夫そうだな」

「うんっ!激しくして!これも気持ち良いけど切ないのぉ・・・お願い志貴ちゃんもっと突いて!!激しくしてぇ!」

そんな淫らなお願いを志貴は茶化す事無く、一つ頷いてからピストン運動の速度を一気に激しいものに切り替えた。

「ひがぁあ!はひっ!!ひ、ひひのぉ!!ひいのぉ!!」

そんな志貴の動きに完全に翻弄された琥珀は悲鳴とも嬌声ともつかぬ声でただ志貴の身体に抱きつき、嵐の如き志貴の蹂躙にひたすら耐えていた。

「はぎぃ、はがぁ、だ、だめぇ志貴ちゃんもうだめぇ・・・」

「琥珀いきそうか?」

志貴の質問に何度も首を縦に振る。

「う、うん、どっかいっちゃう、どっかにいっちゃう!おかしくなっちゃうぅ!!」

「じゃあこれで俺も・・・出すぞ!」

その言葉の意味を察したのだろう。

琥珀は更に深く繋がろうと志貴に必死に抱きつく。

「だ、出して・・・出して、出して出して出して!志貴ちゃんの私の中に出してぇ!」

そう絶叫すると同時に

「ぐっ!」

一声唸ると同時に志貴は琥珀の膣内に射精を開始した。

その際の振動と出された精液の熱さに

「いくぅぅぅぅぅぅ!!」

背筋をピンと伸ばし琥珀も半狂乱で叫びながら絶頂を受け入れていた。

「ふう・・・琥珀どうだった?」

そう言い志貴は自身の肉棒を琥珀の秘所から引き抜く。

琥珀の膣内に出された志貴の精液が少量、溢れ出し秘所から肛門にたれていく。

「はぁ・・・はぁ・・・うん、気持ち良かった・・・」

息も絶え絶えであったが琥珀は静かに頷く。

「良かった・・・俺だけ気持ち良くなっても仕方ないからな」

そう言って乱れた琥珀の髪を手で梳いてから再度キスをする。

「志貴ちゃん・・・大好き・・・愛してる」

うっとりと夢心地の表情で志貴のキスを受ける。

そしてキスが終わると琥珀の髪をもう一度梳いてからお姫様抱っこで抱えて少しどかす。

「じゃあ琥珀少し休んでてな。次は・・・翡翠か」

「うん・・・」

頬を紅潮させて翡翠がそっと進み出る。

よく見ると内股にして両方の腿をもじもじさせている。

どう見ても翡翠が姉の痴態を目の当たりにして少なからず興奮したのは間違いない。

だが、だからと言っていきなり本番と言うのも相手の気持ちを考えていない行動だ。

(そうだな、じっくり感じさせてからにするか)

そう決めると志貴は素早く今度は翡翠を真正面から抱き寄せる。

「志貴ちゃん・・・私・・・姉さんと同じ位志貴ちゃんの事愛してる・・・」

「ああ俺も」

そう言って口付けを交わす二人。

「んふっ・・・」

かすかな吐息の中、志貴と翡翠は互いに舌を絡ませあう。

姉のを見て学習したのかそれなりに舌を動かし志貴の猛攻に耐えようとしたが、それも無駄な事だった。

志貴は翡翠のそれをものとせず、まるで舌が独立した生き物の様に蠢き翡翠の口内の隅々まで味わい尽くす。

その間にも志貴の手は翡翠の襦袢の帯を解き、抜き取り翡翠の素肌にもその手を忍ばせていた。

「ぷぁ・・・志貴ちゃん・・・キスすごくエッチ」

「そうか?まあ今してるのはエッチな事だから反論できないけど」

その言葉を代弁するように志貴の両手は翡翠の両胸を撫で回したり軽く揉んだりしている。

「ぁぁ、し、き、ちゃん・・・エッチ・・・だよう・・・」

「そうだな。でも翡翠がすごく奇麗だからだぞ。俺が興奮してるのも」

「そ、そうかな・・・」

「ああ胸も大きいし。揉んだ感じからして・・・琥珀と同じ位かな?」

「う、うん・・・そうだと思う・・・姉さん恥ずかしがって教えてくれないけど」

「まあそうだろうな。琥珀の性格からだと」

人の前では明るく朗らかだが、家族の前では借りてきた猫の様に大人しくなる上に実はかなりの恥ずかしがり屋だ。

高校生の時などコンビニで間違って成人向けのグラビア雑誌を見た瞬間、ここで頭に薬缶でも乗せたら瞬時に沸騰するんじゃないかと思う位真っ赤になってその場を逃走した経歴を持つ琥珀だ。

例え血を分けた妹にも自分のスリーサイズなど教えられないだろう。

「じゃあ翡翠には琥珀にしなかった事をするか」

「えっ?」

翡翠は何がなんだかわからずきょとんとしたが、直ぐに志貴の言葉の意味をその身を持って知る事になった。

突然翡翠の乳首を口に含むと舌で転がしながら赤子の様に吸い出した。

「ひゃあああ!」

思わぬ刺激に甲高い声を上げる。

「し、志貴ちゃん・・・ああっ、だ、だめだよ・・・んんっ・・・」

絶妙の刺激に身悶えつつも必死に志貴を離そうとするが、それをするりと潜り抜けると反対側の乳首を吸い始める。

それを何度か繰り返す内に翡翠の両胸の先端は志貴の唾液塗れになっていた。

「や、やぁぁぁぁぁ、し、志貴ちゃん・・・赤ちゃんみたいだよぉ」

「あっ、そう言う事言うんだ?」

「ひゃん!」

咥えたまま喋った為に別の刺激が襲い掛かり翡翠は堪らず嬌声を上げる。

「じゃあ、赤ちゃんがしない事してみようかな」

そう言うと、翡翠がその意味を問い質そうとする前に、志貴は既に目的地に到着していた。

既に愛液で濡れている翡翠の秘所に。

「えっ?えええ?」

意味がわからず混乱する翡翠は胸の時と同様その身をもって、志貴の言葉の意味を知る事となった。

志貴は前触れも遠慮もなく、翡翠の秘所を舐め始めた。

「!!や、いやあああああああああ!!」

あまりの事に翡翠は悲鳴をあげていた。

まさかその様な所を志貴が舐めるなど想像の外だったからだ。

「や、やだよぉ!し、志貴ちゃん、んんっきたっ汚いよぉ・・・」

「大丈夫、翡翠の味がするだけだから」

舌での愛撫をやめる事無く志貴は涙声の翡翠を宥める。

「やだやだやだやだぁあああ!!」

そんな志貴の宥めにも耳を貸す事無く大きく首を振って暴れる。

火事場のクソ力と言うのか、志貴でも押さえ込むのが精一杯な程の暴れように、志貴も一旦秘所へのクンニを諦める事にした。

最も完全に諦めた訳でもなく。

(ここを舐めるのは、もう少し翡翠がこう言う事に慣れてからの方が良いな)

そんな不埒な事を思いながら、再度胸に吸いつき翡翠の愛液と志貴の唾液でぐしょぐしょとなった秘所へは志貴の指が舌の変わりに蹂躙を開始する。

「ひゃああ・・・胸だめぇ・・・そ、そこも・・・指で弄っちゃあだめぇ・・・ぃぃょぉ・・・」

クンニを止めたのでようやく落ち着いた翡翠は口ではそう言いながらも抵抗の意思を見せる事無くただひたすら志貴の愛撫によって与えられる快楽に身を任せていた。

「さて・・・もう良いな」

そう言うと、翡翠を押し倒し琥珀との時とは異なり、襦袢を完全に脱がさず前部分を完全にはだけさせてから、琥珀と同じ様に静かに自身のを宛がう。

「ぁ・・・」

「翡翠、貰うぞ」

「うん・・・志貴ちゃん、私も姉さんと同じ様に・・・して」

その言葉に一つ頷くと一気に翡翠を貫いた。

「??」

その時、志貴は琥珀の時とは違う感触を覚えていた。

「あっぁぁぁぁ?」

その戸惑いは翡翠も察したようだ。

「??・・・そうか処女膜を突き破った感覚が無いんだ」

その違和感の正体をようやく志貴が確信してそう呟いた瞬間、翡翠の表情が一変した。

「ち、違う・・・違うの・・・そ、そんな筈無い」

翡翠が怯えた様に志貴から離れようとする。

「お、おい?翡翠?」

「志貴ちゃん・・・私志貴ちゃんが初めてなの・・・お願い信じて・・・お願い・・・嫌わないで、捨てないで・・・」

それについては信じているし、仮に何らかの事情で翡翠は処女をすでに捨てていたのだとしても、志貴は翡翠を捨てる気も疎んじる気も無い。

だが、翡翠の方は志貴に嫌われる、捨てられると恐怖に支配され、半ば錯乱して志貴から逃げようとしている。

無論であるが、翡翠にとって自分の全てを捧げる相手は志貴以外に存在する筈がなく、処女を何処の馬の骨とも知れぬ男に捧げる訳がない。

ナンパされても相手にせず、乱暴されそうになっても志貴が助けてくれたり、時には自分の手で撃退した事もあった。

そんな翡翠であるからこそ、処女膜が無いと言う事実に想像を超える恐怖を覚えた。

「翡翠、落ち着けって」

「志貴ちゃん・・・」

そこに琥珀が近寄る。

「志貴ちゃん・・・翡翠ちゃんを信じて・・・翡翠ちゃんは本当に志貴ちゃんが初めてなの・・・志貴ちゃん以外の男性に身体を許すなんて事してないから・・・お願い信じて・・・」

必死になって妹の弁護をしている。

「大丈夫だから俺は翡翠を信じているし、翡翠を捨てる気も嫌う気もないし」

その様に思わず苦笑して琥珀と翡翠二人の頭を撫でながら、諭す様に志貴は言う。

「それに・・・翡翠の処女膜が無い理由、大体見当もついているし」

「えっ?」

「そ、それって・・・」

「以前聞いたことがある。先生だったかな?教授だったかな?まあどっちでも良いか。激しい運動をしていると処女膜が稀に切れる事があるって。翡翠は多分それさ」

何しろ退魔剣術の当代として、退魔の依頼も受けている翡翠だ。

その際に処女膜が切れていても不思議ではない。

その点では琥珀も同様であるが、これについては個人差なのだろうと志貴は割り切っていた。

「だから翡翠、俺はお前の事信じてるから、なっだから落ち着けって」

そう言って触れるだけのキスをしてから薄く笑う。

「それに・・・」

そう言うと同時に志貴は翡翠と繋がったままの体勢で、自分は横になる。

これによって翡翠は志貴と繋がった部分を基点として、志貴に跨る形を取っていた。

抵抗できたのだが、先程のキスと志貴の言葉に夢見心地の翡翠が気付いた時にはもう遅かった。

「し、志貴ちゃん駄目だよぉ・・・恥ずかしい・・・」

「俺も安心して翡翠を気持ち良くしてあげられるし」

そう言うと、志貴は腰で円を書く様に動かし、翡翠の膣内をほぐして行く。

「ぁぁぁ・・・だ、駄目・・・変な気持ちになっちゃあああ・・・」

痛みがない分、快楽におぼれそうになる翡翠だったが、それをどうにか押し留める。

「良いんだって翡翠、変な気持ちになっても」

快楽を堪えている節のある翡翠に苦笑して胸への愛撫を再開しグラインド運動と連動する。

腰を動かし度に胸を揉み、時には乳首を軽く弾いたりして快楽に変化を付けていく。

絶妙な志貴の愛撫に翡翠の理性はあっさりと崩壊した。

「はぁぁぁ、胸だめ・・・志貴ちゃんそん・・・ふぁぁ・・・なの・・・ああん・・・気持ち良いよぉ」

大分素直に快楽を受け入れたと見た志貴はすぐさま腰の動きをグラインド運動から上下へのピストン運動に変更させる。

「じゃあこれも気持ち良いか?」

そう言うや、半分抜き出してから軽く勢いをつけて再び貫く。

「ああああああ!!良い!志貴ちゃんのが・・・志貴ちゃんのがぁ!な、中でぁぁぁ、あ、暴れてるよぉぉ!気持ち良いよぉ!」

涎を口の端から垂らし、身体を仰け反らして快楽に酔う翡翠。

痛がっている様子の無いのに人知れず安堵の表情を浮かべると、志貴はその勢いのまま翡翠を思う存分貫き翡翠の膣内を堪能する。

「はひっ!ああっ!ら、らめぇ!良すぎるぅ!」

琥珀の時よりもハードな為か翡翠は常日頃の面影など皆無の表情で喘ぎ、快楽に完全に理性を奪われ、だらけきった表情で志貴にされるがままだった。

「・・・すごい」

それを間近で見ていた琥珀は再び濡れ出すのをはっきりと自覚していた。

「んんっ・・・」

そして、順番待ちのアルクェイド達も自慰をしたいのを懸命に堪えて順番を心待ちにしていた。

「志貴ちゃん!!だめ!!もう・・・もうだめぇ!!」

やがて翡翠の表情に切羽詰ったものが浮かび上がる。

それを見て直ぐに察した志貴は翡翠に確認を取る。

「翡翠、いきそうか?」

「うんっ!うんっ!いくいく、いくの!いっちゃうの!あああ!!」

「俺も・・・そろそろだな・・・」

「じゃあ、いっ、一緒!一緒にいこっ!姉さんと同じ様に!!」

「ああもちろんそのつもりだ」

その言葉を皮切りに腰の動きを更に激しく動かす。

「ああっ!ああっ!!ああっ!」

もう言葉も出ずただひたすら志貴に貫かれる。

そして

「ひっ!いっいく、いくいくいくいくいくいく!いっちゃうぅぅぅぅぅぅ!!」

悲鳴にも似た嬌声を発して翡翠が志貴より少し早く絶頂に達した。

「出すぞ!」

一瞬志貴の身体が痙攣する。

それと同時に志貴は翡翠の膣内に射精をしていた。

そしてその放出された精液の熱さに触れた瞬間、

「ひいいいいいい!」

再度痙攣して翡翠は絶頂を味わった。

「ぁ、ぁぁぁ・・・」

口をぱくぱく動かし意味不明の言葉を呟くと同時に翡翠は脱力しきった表情で志貴の胸元に倒れこむ。

「ふう・・・翡翠少し苛め過ぎたな・・・ごめん」

そう言うと唇同士が触れるだけの軽いキスをかわす。

「意地悪・・・」

うっとりとした口調でそう呟き志貴の胸元を頬ずりする。

そんな翡翠を穏やかな笑顔で微笑むと、再び翡翠を布団の上に横にさせてから繋がっていた自身のを引き抜く。

「あっ・・・」

翡翠が名残惜しそうにかすかに呟く。

そこからは姉と同様に少量の精液があふれ出していく。

「さてと・・・琥珀、翡翠の・・・」

そう言って振り返った志貴の眼に飛び込んできたのは、

「あっ、んっ、ぁぁぁ・・・」

一心不乱に自慰に耽る琥珀の姿だった。

妹のあまりの乱れように身体が疼きだしたのだろう。

自分の姿を見ている志貴にも気付かずただ自慰に没頭している。

思わぬ事に絶句した志貴だったが、ふといまだ肩で息をしている翡翠が視界に入る。

それから、再度琥珀に視線を向ける。

ふと、翡翠と琥珀、二人を同時に自分の腕の中で喘がせたい、もっと犯したいという欲求が膨れ上がる。

自分でも知らず知らずの内に生唾を飲み込む。

それほど、頭を過ぎった思案は抗いがたいものを持っていた。

もしこれが三人だけならば直ぐに実行されていただろう。

だが、ここにままだ初体験待ちがいた。

眼にも止まらぬ速度で志貴の腕から翡翠を奪い取り、琥珀の隣に置き、それから志貴を自分の傍に引き寄せた。

「えっと?アルクェイド?」

「志貴〜次は私だってわかっているわよねぇ〜」

顔こそ満面の笑みだがその眼は微塵も笑っていない。

忘れているなら何かなんでも思い出させると暗に告げている。

「あ、ああっも、もちろん!!」

下手な事を言えば殺されると直感した志貴は直ぐに頷く。

「志貴君、早くしてよね。後だってつかえているんだから」

「し、志貴・・・その早く私の相手もお願します」

「あ、あのようなものを見せられては私達も我慢出来ません」

「切ないよぉ志貴君」

「・・・(こくん)」

見れば、他の面々も我慢できないとばかりに瞳を潤ませている。

「わかったから・・・な?」

苦笑いしながら志貴は一旦双子丼の事を意識から追い出し、残りの妻達に集中する事にした。


二艶へ